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Catalytic crackingはなぜ「接触分解」と訳されるのか
ナフサ不足で石油精製プロセスへの注目が高まっている。
この機会に、石油精製プロセスで使われている触媒に興味を持つ人が増えてくれると嬉しい。
石油精製プロセスで、重要なものの一つに「接触分解」がある。
これは、原油に含まれる沸点の高い成分を分解して、沸点の低いガソリンなどに変換するプロセである。
ゼオライトなどの固体酸触媒が用いられているが、ではなぜこのプロセスを「接触分解」というのか。
そもそも「Catalyst/Catalysis」という用語を作り出したのは誰か
「Catalytic force」という用語をつくりだしたのは、スウェーデンのベルツェリウス。
気体などが固体表面と接触するだけで反応が促進されるのは、当時知られていた化学の概念だけでは説明できない。
そこで、新たな用語をつくり、その作用を解明しようとしていた。
1835年(1836年とも)のことと言われている。
「Catalyst/Catalysis」の日本語訳
1835年、日本は江戸末期。
新しい知識を学ぼうとしていた人たちは、西洋で唱えられていた新しい概念を理解しようと努力していた。
その過程で、「Catalyst/Catalysis」という言葉に出会い、これを日本語に落とし込もうと努力した。
「触媒」という用語は、化学の書籍の中国語訳を参考に、漢文学者などが提唱したと考えられている。
化学物質に「接触」し、反応を「媒介」する。
現在様々なプロセスで活躍している「触媒」の姿を、よく表している。
「接触〜」という言葉は、どこからくるのか
ベルツェリウスの時代、彼がCatalystという用語を考え出す前は、触媒作用に相当するものは「Contact action」と呼ばれていた。
ベルツェリウスが用語を作った後も、「Catalytic〜」と「Contact〜」の各用語は、しばらくは整理されず、併用されていた。
そのため、日本語への訳語もこの併用の影響を受けて、現在でも若干その名残がある。
そもそもは「Catalytic〜」も「Contact〜」も「接触〜」と訳されていた。
その後、「触媒」という訳語が作り出され、「Catalytic force」、「Catalysis」、「Catalyst」はそれぞれ「触媒力」、「触媒作用」、そして「触媒」と訳されるようになる。
一方、「Contact〜」に由来する言葉も、現在でも残っているものがある。
それが、石油精製過程における「接触改質」、「接触分解」などである。
英語では「Catalytic cracking」であるが、これは「接触分解」で定着しており、「触媒分解」に改めようとする様子は、今のところ、ないようである。
ちなみに、中国語では「催化」という
「催」は「せきたてる」、「促す」、「催促する」。
「化」は「変わる」、「変える」。
「触媒」よりも、積極的に反応を動かすニュアンスを感じる。
暖淡堂:触媒blog

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